青と赤、まとめて買った『東京大学アルバートアイラー』読了。
これ、タイトルをはじめて新聞かなんかで見たとき、小説か?と思ったのだが、東大での通年の講義録だった。ユリイカが菊池特集だったりして、あれれ、わりと有名な人なのねと驚く。
ジャズの歴史について書かれた本でこれまで読んだことがあるのは、平岡正明中上健次間章くらいだったのだが、これはすんなり読めた。現代思想っぽいタームがそこそこ出てきて『構造と力』のチャートに似ている印象。数年前、マイルスの『オンザコーナー』とか聞き込んでた時期があって、その頃にマイルスを軸に20世紀の音楽史を解釈する本とか誰か書いてくれないかなと思っていたので、この本に出会えてうれしい。
マイルスの音楽を最初に聴いたのは中学生のときで、FM fanって雑誌に来日したマイルスの写真とインタビューが出ていて、天ぷらそばを食いたいとマイルスが言った話とか憶えている。当時のライブをFMエアチェックしたものの、なんだこれ、プログレみたいなところもあるけど、うーん、なんかわけわからない、とジャズは断念。それから時は過ぎて、大学生のころ復活マイルスのブームがあって、『マンウィズザホーン』とかはドラムがかっこよくてよく聴いていた。その後『TUTU』とか、スクリティポリティで吹いてたりとか、そのあたりをすれ違う。マイルスがいいなと思ったのは、2000年前後にはじめて『カインドオブブルー』を聴いてから。それから『オンザコーナー』あたりに行って、いまはバップとかチャーリー・パーカーに興味がある、という歴史を逆行というか遡行している感じ。iTMSでチャーリーパーカーを探していたら、サボイからRe-Bapというコンピものが出ていて、わりといいかなと思いダウンロード買い。