ジンジャー・ベイカー

ジンジャー・ベイカー以前と以後があるとするなら、ロックドラムにおけるバスドラの音質が変わったのだと思う。このバスドラの音質の革新はジョン・ボーナムに継承される。
Creamの曲でドラムが好きなのは、White Room、Those Were The Days、Deserted Cities Of The Heart。いずれもクラシック的な響きのする展開が挿入される点が共通している。
たとえばWhite Roomの5拍子にしても、抑えめのティンパニのニュアンスで叩かれているので、ドンドコ、ドンドコ、ドンドコとの対比が際立つのだと思う。
また、Bメロのハイハットオープンの入れ方が、1拍目だけではなくてメロディにあわせて裏にも入るフレーズになっていて、この裏にハイハットオープンを入れるときバスドラを抜いているところがあり、これがなかなか難しい。このバスドラを抜く感じは、ロックというよりジャズの手法に近いように思う。
ともかく、この曲はすっきり、きれいに叩いてしまうと案外つまらない印象になってしまうので、あえてバスドラを少しもたつき気味のゴツゴツ訛った感じで叩くのがいいのだろう。