「リクルートのDNA」

山羊座木星人も今年は12年に一度の幸運期らしい。12年前はどうだったかな。
1996年4月に会社を退職、フリーになって、笹塚のM社でCD-ROM百科事典の原稿整理、次に市ヶ谷のM社でDTPマニュアル本の動作検証、とアルバイトみたいなことをやっていた。ウェブのプログラミングの仕事がやりたいなあ、と思っていたところに、秋になって縁あって、リクルートのある案件でウェブプログラミングに携わることになった。
打ち合わせで何度か勝ちどきや銀座に足を運んだこともあったけれども、プログラミングは自宅でやりたい、という希望をくんでいただけた。納期は3ヶ月。後から聞いたら、3ヶ月では完成しないだろうと思われていたらしいのだが、ほぼ予定通りに納品できた。生産性が上がるのであれば、たとえ前例がないことでも、無理を通してくれる、懐の広い会社だな、と思った。翌1997年、サービス開始1周年を祝うパーティに声をかけていただけた。楽しいパーティだったなあ。
リクルートのDNAのひとつに、楽しいパーティをやろうよ、というのがあるのかもしれない。もちろん、プロジェクトが起動に乗るなり成功するなりが前提だけど。
リクルートはいかに成功したかの物語というだけでなく、リクルートはいかに失敗したかについても最後の8章でふれられている。回線リセールとかスパコンとか、いま思えばヤフーみたいなポジションを狙っていたのかもしれない。技術動向とかそのコストの推移とかに対する読みが重要で、事の正否を決めるのはタイミングなのだね。