ルーマン入門みたいな本はないかなと図書館で探していたら、とりあえず橋爪大三郎『言語派社会学の原理』を見つける。
言語派社会学の原理
むかし『言語ゲームと社会理論』を読んだときは、いまいちピンと来なかったのだが、ウィトゲンシュタインルーマンをつなぐ線のあたりに何かヒントになりそうなものがある気がしている。
『論考』があらためて面白いなと思ったのは、野矢茂樹を読んでからで、それはそれとして、確率と後期ウィトゲンシュタインをつなぐ線がありそうな気がしていた。
確率をベイズ流に主観の側で考えると、では主観と主観の関係はどうなる、というのが大問題になる。このあたりで少しウィトゲンシュタインから離れて、ケインズ美人投票とか、その周辺をふらふら考えているうち、なんとなく行き詰まってしまった。
そうこうしているうちに、ルーマンの「予期」って概念についての解説を宮台真司のページで読み、あ、これ、なんか強烈につながりそう、という感じがしてきた。
本書のあとがきだけさっと読んだのだが、ルーマンの議論はけっきょく循環論法になってしまうのではないか、だったらウィトゲンシュタイン〜ハートの言語ゲームから法・ルールを考えるアプローチでいいじゃん、と橋爪は指摘しているのかなと思った(私の誤読かもしれんが)。
社会学ってあまり興味なくて、なんで今頃ではあるのだが、ネットでの評判とか信頼とかを考えるときに、ルーマンのシステム論に何か使えそうな道具がありそうな気がしている。また、ルーマンの言うシステムと、いわゆるコンピュータ系のシステムが、どこが重なり、どこが違うのかも、ちと整理したいというのもある。