this wheel's on fire

この曲はスージー&ザ・バンシーズによるカバーがずっと好きだっただけに、その後ザ・バンドのを聴いたときも、なんか違うなあと思っていたのだが、最近になってやっと「地下室」を買い、やっぱザ・バンドのよりディランのが私の好み。
if your memory serves you well
これは「あなたの記憶が正しければ」となる訳だが、メモリ・サーブという言い回しが面白い(記憶は他者であり、主体は記憶の客体である)。
とはいえ、この詞の文脈では、「あなたがあのこと(約束?)を憶えていてくれたら」という訳の方が「わたしたちは再会するはずだったのに」にしっくりつながるだろう。
だけれども、この約束は果たせなかった。
1番「(車に積んだ)荷物をほどき、夜が来るまで、じっと座って待っている。あなたに伝言を伝えられる者は誰もいない(みんな死んでしまうだろうから?)」
2番「あなたのひもを(こっそり)取り上げて、それを水兵結びで結んで、あなたの箱の中に隠そうとした。そのひもがあなたの物だとわかっていたら(そんなことはしなかっただろう)。それを知るのはものすごく困難でした」
3番「あなたは彼らに会って、もてなしを受ける、そのためにわたしに会うはずだった。けれども計画はすべてだめになってしまった、もうこれ以上話すことはありません」
そして、
「この車は火を噴きながら、坂道を転がり落ちていく。どうか私の家族に連絡してください。この車はもうすぐ爆発してしまうのです。」
墜落してしまう飛行機の乗客からの最後のメッセージのような感じ。